民間企業に起因する人権侵害の撲滅を目指す MSI Integrity (The Institute for Multi-Stakeholder Initiative Integrity)が公表したレポート「Not Fit-For-Purpose」は、国際標準を掲げるMSIsに対して行った10年にわたる調査と分析の結果を反映したものです。レポートは、MSIsという壮大な実験が、人権侵害から効果的に身を守る手段を提供するというゴールにたどり着くことなく失敗した、と結論付けています。 MSIsは信頼の構築と対話の生成においては重要な役割を演じましたが、侵害を確実に検知したり、企業に侵害に対する責任を求めたり、被害者などへの救済策を提供したりする目的を達するには適さなかったとしています。